唯識思想の五位とは、すべての存在を、心、心所、色、心不相応行、無為の五つの範疇に分類したものです。
心王は、認識作用を行う主体であり、六識と未到地識の二つがあります。六識は、眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識の六つの認識機能です。未到地識は、六識の基礎となる認識機能で、具体的な対象を認識することはできません。
心所有法は、心王に随伴して現れる心の働きであり、五遍行と五別境の十種があります。五遍行は、作意、触、受、想、思の五つの心の働きです。五別境は、欲、勝解、念、定、慧の五つの心の働きです。
色法は、物質的な存在であり、地、水、火、風、空の五大と、色、声、香、味、触の五根と、眼、耳、鼻、舌、身の五境の十種があります。
心不相応行は、心王と心所有法に属さない心の働きであり、行、識、処、縁、和合、勝義諦、世俗諦の八種があります。
無為法は、煩悩を滅し、涅槃に至る悟りの境地であり、無為心と無為果の二つがあります。無為心は、煩悩を滅した状態の心であり、無為果は、無為心によって得られる涅槃の境地です。
この五位は、すべての存在を包括する体系であり、唯識思想の根本的な考え方です。
心王と心所の区別
唯識思想では、心と心所を区別します。心は、認識作用を行う主体であり、心所は、心の働きです。心は実体ではなく、心所の集合体であると考えられており、心所によって心が形作られるとされます。
心王と色法の区別
唯識思想では、心王と色法を区別します。心王は、精神的な存在であり、色法は、物質的な存在です。心王は、色法によって生起するのではなく、自ら生起するとされます。
五位百法
唯識思想では、五位をさらに細分化して、百法に分類しています。この百法は、すべての存在を網羅するものであり、唯識思想の体系をより深く理解するために役立ちます。
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